記事の背景
アラフィフのエンジニアですがフリーランスになりました。
今後は会社の後ろ盾はなく、自分の腕一本で仕事をしていくと考えた時に、今までの経験に頼り切るのではなく、どんどん新しい技術も磨きたいと考えるようになりました。
一方、卒業した大学の学部は文系学部のため、基本情報処理技術者試験レベルのCS知識はあるものの、折に触れて体系的なCS(コンピューターサイエンス)の体系的な知識不足を痛感していました。
また、新しい技術を磨く際に、IT技術の場合海外のサイト(特に英語)の方が圧倒的に情報量が多いため、英語で情報収集する必要性と有効性を痛感していました。
さらに、ワンチャン海外で働きたいという希望もあるため「CS学士を保持していればビザ取得に有利」との思いもありました。
そんなわけで、UoPeople UniversityでCS(コンピューターサイエンス専攻)への入学を検討してみることにしました。
UoPeople University(Computer Science)入学までのロードマップ
USD60を支払い、応募したばかりで色々と調査中です。情報不足や認識違いなどあるかもしれませんが、適宜更新していきますのでご容赦を。。。
なお、ロードマップは各個人によって異なってくるかと思います。
本記事では筆者の例を提示しますが、各自ご自身の状況に置き換えてお読みいただければと思います。
社会人の方やこれから進路を検討する学生さんが、UoPeopleを検討される際のご参考になれば幸いです。
UoPeople Universityとは?
米国カリフォルニア州パサデナにあるオンライン専用の大学で特色は以下の通りです。
【UoPeopleの特色】
- 学費は無料、ただし、認定試験料などで、卒業までにUSD5000ドル弱が発生する
- 全ての授業がオンラインで完結する。渡米の必要はなし
- 地球上のあらゆる貧困地域、遠隔地域と高等教育機会をつなぎ、
高等教育の普及による世界のよりよいコミュニティ生成を目指すことを理念としている - 受験資格は高校卒業または、大学卒業
- オンラインで完結し、学費無料にも関わらず、準学士、学士、修士の資格が得られる
【参考情報】
>> 【公式】University of the People | Become a student
【卒業までにかかるコスト】
The total approximate costs to earn a degree at UoPeople are the following: Associate Degree: $2,460 Bachelor’s Degree: $4,860
※UoPeopleの公式ページから引用
UoPeopleに入学する手順
手順は本当に簡単で以下の通りです。
- 公式ページ(Admissions Application)を開く
- 名前やメールアドレスなどの簡単な必要項目を記載する
- USD60を支払う(クレジットカード/PayPal)
手順自体は以下の公式ページから進んでいけば直感的に手続きできます。ちなみに全て英語ですのでその点はご承知おきください。
英語のスコアを証明したり(スコアがない場合は専用クラスを受講し、パスする必要あり)、大学の卒業証明書を提出したりといった手続きを経て正式な学生として認められるようですが、入学するだけならUSD60を支払うだけです。
詳しくは公式ページをご参照ください。
>> 【公式】YouTube | How to apply to UoPeople?
>> 【公式】University of the People | Admissions Application
さて、入学するのは本当に簡単ですが、正式な学生となって学習を進め、さらに卒業するためには色々とノウハウがありそうです。
というわけで、筆者がUoPeopleを目指す動機や、他に検討したプラン、筆者にとってもUoPeopleに入学するメリットデメリットなどを以下に記載していきます。
また、調査の参考にさせていただいた先人たちのページもまとめましたのでご参考になさってください。
UoPeople UniversityでCS(コンピューターサイエンス専攻)への入学で達成したいこと
筆者の場合は以下の通りです。
- CS学位(コンピューターサイエンス学士)の取得
- CSを体系的に学ぶ
- 大量の英語に触れて(文献やテキストを読む→エッセイを書く→レビューをもらう)、英語の運用スキルを向上させる
【参考ページ | コースの概要】
>> 【公式】BACHELOR OF SCIENCE IN COMPUTER SCIENCE
簡単なプロフィール
GMARCH文系出身のエンジニアです。
新卒でブラックSESに入社しその後ホワイトSES→通信事業会社の子会社→WEB系事業会社を経てフリーランスになりました。
通信機器の保守員からキャリアをスタートし、かつてはネットワークの設計構築、オンプレミス、クラウドでインフラ設計構築を対応し、現在は情シス業務をメインに対応しています。
英語力はTOEICで600点程度です。
比較した別なプラン
比較した別なプランは以下の通りです。
国内の社会人大学院への入学
国内の社会人大学院について、以下の大学院を検討しました。
どちらも魅力的で素晴らしい教育機関だとは思いましたが、オンラインで完結しない(通学が必要)という点と、授業が日本語という点が自分の要望とマッチしませんでしたので、検討から外しました。
通学してもOK、日本語の授業でOKという方にはとても魅力的な教育機関かと思います。
日本語でCS(コンピューターサイエンス)を学ぶメリット
大きなメリットがあります。ITエンジニアの需要はかなり高く、完全に売り手市場です。筆者の専門であるインフラや情報システム部門においても慢性的な人手不足ですし、求人数もかなりあります。
そのため、たとえば文系の学生さんが国内の大学院でCSの修士を取れるのであれば、今後のキャリアパスを考えてとてもおすすめできる選択肢かと思います。
理由は新卒カードを使ってメガベンチャーやモダンなWEB系自社開発企業を目指すことも可能ですし、海外志向があるなら、CS修士+2年の開発経験があれば、海外でIT技術者としてのビザ取得要件を満たせる可能性が上がるからです。
※ビザ要件についてはご自身で公的なページのチェックをお願いいたします。
【参考ページ】
>> 【公式】ジェトロのページ
また、社会人の方にとっても国内の大学院でCSを学ぶ意義は大きいかと思います。
海外のオンライン大学院への入学
海外の大学院(オンラインで受講可能)は以下を検討しました。
ジョージア工科大学大学院(アメリカ)
マサチューセッツ工科大学やカリフォルニア工科大学と並ぶ超名門校ですが、オンラインで完結するコースを持っています。
素晴らしい大学院ですが、以下の入学要件を筆者は満たせないため見送りました。
筆者が満たせない、または満たすのが難しそうな入学要件は以下の通り。
- コンピュータサイエンスあるいは関連学部(機械工学、電子工学、コンピュータエンジニアリング、数学など)を卒業していること
- GPA3.0以上
- 語学要件(IELTS:7.0以上、TOEFL:90点以上)
- 3人の推薦人が必要
詳しい入学要件などは、公式ページをご覧ください。
ヨーク大学 コンピュータサイエンス専攻修士課程(イギリス)
オンラインで完結し、非CS学部卒でも受け入れ可能で、素晴らしい大学院です。
主な入学要件
- 非CS学部卒でも受け入れ可能
- 推薦人不要
- 語学要件(IELTS:6.5以上、TOEFL:87点以上)
英語力があれば、海外でエンジニアとしてのキャリアを積みたい方にとって、コンピューターサイエンスの修士という学歴が手に入りますのでかなりメリットが大きい大学院かと思います。
筆者の場合、英語力の要件を満たすまでに相当な時間がかかると想定されましたので、見送りました。
詳しい入学要件などは、公式ページをご覧ください。
>> 【公式】Georgiaヨーク大学 コンピュータサイエンス専攻修士課程(イギリス)
このように、CS学位をお持ちか、英語に自信がる方であれば、海外の有名大学院のCSコースに入学することが可能ですのでメリットが大きいコース選択かと思います。
筆者にとってのUoPeopleに入学するメリット
では、なぜ筆者は国内の社会人大学院や海外大学院のCSコースではなく、UoPeopleを目指したかというと、以下のメリットを感じたからです。
筆者にとってのUoPeopleに入学するメリット
- 無料※かつオンラインで米国大学でのCS学位が取得できる
- 英語でCSを体系的に学ぶことができる
- 筆者の英語力でも入学が可能※
- 学習を通して英語の運用スキル向上が見込める
【注意点】
※無料:検定料は有料で卒業までにUSD6000程度の費用は発生します ※語学要件でIELTSやTOEICなどのスコアが必要ですが、別途英語のコースをとることで入学可能になります
無料※かつオンラインで米国大学でのCS学位が取得できる
無料とは言っても、検定料は有料で卒業までにUSD6000程度の費用は発生します。しかし、手数料のみのコストで米国大学のCS(コンピューターサイエンス)の学位が取得できるのは魅力的です。
また、筆者がCSの学位取得を目指す理由ともマッチします。
また、筆者にとってオンラインは外せない要件です。自分の中でテレワークでも生産性を落とさずに業務ができることが証明されていますので、時間効率を最大限に活かすためにオンラインでコースが完結するのはとてもありがたいです。
英語でCSを体系的に学ぶことができる
これも、筆者がCSの学位取得を目指す理由とマッチします。英語でCSを体系的に学ぶことで、今後エンジニアとして新しい技術を取得していく際に、大きなシナジー効果が期待できます。
また、CSの概念について、要所要所は日本での職業経験で体得しているためゼロベースからのスタートではないため、挫折率は下がるかと思います。
これは、ネットワーク、データベース、プログラミング、アルゴリズムなどの基礎的な概念は日本語で理解し、日々の仕事で使っているためです。
筆者の英語力でも入学が可能
語学要件でIELTSやTOEICなどのスコアが必要ですが、別途英語のコースをとることで入学可能になります。つまり、他の大学院に比べて、初めに英語学習にコストを投下しなくてすみそうです。
もちろん簡単ではないですが、他の海外大学院に比べて、英語のハードルは若干下がりそうです。
これにより、すぐにでも入学が可能になります。
学習を通して英語の運用スキル向上が見込める
各コースで英語での学習サイクル※を回すことにより、英語の運用スキル向上が見込めます。
※【想定している学習サイクル】
課題図書や文献を読む/またはプログラムのコーディングをする → エッセイを書く → レビューを受ける
その他筆者にとってのポジティブな要素
その他、以下のようなポジティブな要素があります。
- 学費が無料(単位習得時の手数料はかかる)なため、特にリスクがない
- 学習時間の捻出ができそう(日々のITに関する学習時間をUoPeopleの学習時間に置き換え)
- 卒業要件の120単位のうち、最大90単位まで単位の移行が可能
特に、3つ目の単位移行については、大学時代に取得した単位や他の学習システムで取得したコースの単位移行が見込めます。
これにより在学時間の短縮と検定費用の節約ができそうなので、実現すれば非常にメリットが大きいです。
筆者にとってのUoPeopleに入学するデメリット
次にデメリットも見ていきます。
- 週15から30時間程度の学習時間を投下する必要がある
- 学習が長期化する恐れがある
- 途中で挫折した場合、当初の目標であるCSの学位が取れない場合がある
- 英会話のスキルは別途補う必要がある
週15から30時間程度の学習時間を投下する必要がある
自分が20代や30代の時はサボってしまっていましたが、40歳を過ぎてここ数年は週15から20時間程度のITや英語に関する学習を継続してきていましたので、その時間を置き換えることで、デメリットは消せそうです。
学習が長期化する恐れがある
オンライン学習ですので、業務が忙しくなったり、自己管理がうまくいかない場合に学習が長期化する恐れがあります。
ただし、筆者は客先常駐型(リモートワークあり)のフリーランスエンジニアですので、ある程度の時間の融通はききます。
たとえば週5勤務を週4や週3にすることもそれほど難しくはありません。
そのため、自分のモチベーションが続く限り、週15時間から30時間の学習時間確保はなんとか確保して、なるべく短期間で卒業単位を取得したいです。
途中で挫折した場合、当初の目標であるCSの学位が取れない場合がある
なんらかの理由で途中で挫折した場合、当初の目標でCSが取れないばかりか、投下した学習時間が無駄になる場合も想定されます。
ただし、もし途中で挫折したとしても、英語でCSを学んだ経験や学習を通じて取得した英語の運用能力によって、本業(ITエンジニア)へのシナジーはかなり大きいと想定しています。
理由はプログラミングや最新のIT技術に関する情報は英語による情報の方が圧倒的に鮮度が高く量も多いため、英語の運用スキルがITエンジニアにとってネガティブに作用することはほぼないからです。
そのため、もし途中で挫折しても、学習コストが全く無駄になることはなさそうです。
英会話のスキルは別途補う必要がある
コースは非同期のコミュニケーション(メールやチャット)で進む想定ですので、コースの中でスピーキング力を磨くことはできなそうです。
スピーキング力アップのためには別途オンライン英会話などのサービスを利用する必要がありそうです。
ここまでのまとめ UoPeopleに入学するためのロードマップ
いったんここまでの調査内容をまとめます。
UoPeopleに入学するための手順
- 入学手続きに60ドルを支払えば入学は可能
- 正式入学にはいくつかの追加手続きが必要
- 追加手続きの例:英語のスコア提出、または英語のクラスを履修/大学の卒業証明書
UoPeopleで学ぶメリット
以下の通り。
- 無料かつオンラインで米国大学でのCS学位が取得できる
- 英語でCSを体系的に学ぶことができる
- 筆者の英語力でも入学が可能
- 学習を通して英語の運用スキル向上が見込める
UoPeopleで学ぶデメリット
デメリットはないが、以下を考慮しておく必要がある。
- 週15から30時間程度の学習時間を投下する必要がある
- 学習が長期化する恐れがある
- 途中で挫折した場合、当初の目標であるCSの学位が取れない場合がある
- 英会話のスキルアップをするためには別途他の学習方法で補う必要がある
参考にさせていただいたページ
UoPeopleについて調査するにあたり、多くの先人たちのページが大変参考になりました。ありがとうございました。
Transfer Credit(単位の移行)に関する参考ページ
>> CourseraとSophiaからの単位移行方法#UoPeopleネタ
>> 【51単位の移行に成功!】Transfer Credit 手続きをご紹介
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>> なぜデザイナーの私がオンライン大学院でコンピューターサイエンスを学ぶのか?〜ペンシルバニア大学オンライン留学体験記〜
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